台風の目

アニメ「デュラララ!!」にハマリすぎて、ついに二次創作に走ってしまいましたorz

静臨静なはずだったのに、臨静になってしまった気がする。

オチとか山場とかはないです。

ただの妄想です。

それでもおｋな方だけ、どぞ↓














華奢な割に、すらりと伸びた手足を持て余し、ゆらゆらと不可思議なリズムをとりながらスキップで駆けていく。

音もなく宙に浮かぶノミ蟲野郎は、たまにこちらを振り返り、不敵な笑みを見せる。

くるりとターンをする姿は、まるで水面を優雅に泳ぐ白鳥のようで妙に美しかった。

俺は数歩先を行くアイツから目を離せない。

本当は認めたくねぇ。

でも、ずっと、ずっと、ずっと、気が付いたら、目で臨也を追っている。
来良学園に入学して、新羅にノミ蟲を紹介された時、俺の中で何かが変わった。

俺は頭を使うのは得意じゃねぇ。だから、理屈なんて知らねぇ。

何が変わったかなんて、どうでもいい。

俺にとっては、ただ「変わった」という事実が重要だった。

幽と俺しかいなかった世界に、ノミ蟲以下の他人が土足で踏み込んできた。

モノクロだった世界がカラーになった。

イラつく回数が増えた。

平和な日常をより激しく求めるようになった。

それに反して、俺はますます揉め事に巻き込まれていく。

いつでも台風の目は隣にいた。当然、その横は暴風雨だ。

臨也の意思のまま、風に吹き飛ばされ続けるのはご免だ。

いつになったら雨は止むのか。木漏れ日が指すのか。そんな気長に待ってられねぇ。

俺が絶対にぶっ壊してやる。

そう決意した時、厄介だと思っていた性質に、初めて助けられたように感じた。

あれから数年、俺はまだ嵐の中でもがいている。

「ねぇ、しずちゃん」

ノミ蟲野郎は嬉々とした声で俺の名を呼ぶ。

「あぁ、黙れ。殺すぞ」

俺はふて腐れながら、ノミ蟲の急所を目がけて、今日も標識を振り回す。

ひらりと軽いステップで攻撃をかわし、俺の目の前に立ち、真っすぐ見つ
めて、透き通る声で言った。

「俺はね、人を愛してる」

臨也はべらべらとくだらねぇことばかりを話す。耳障りだ。

「だけどね、しずちゃんだけは嫌い。大嫌い」

くすっと微笑んで、一言ずつはっきりと口を動かしながら、俺の耳元で囁いた。

「だ・か・ら、殺す☆」

ガキが新しい玩具を見つけた時と同じ表情で事も無げにつぶやく。

焦らすような口ぶりに、心底腹が立った。

「い～～ざ～～や～～～～～ぁぁぁっ！！」

今日も池袋に怒号が響き渡る。

俺達の戦争はまだまだ終わらない。